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信夫の里っていいべした

信夫の里の魅力

緑豊かで古くから山岳信仰のある信夫山と日本一の大わら じを祭る「わらじ祭り」…。福島の人々心に宿る魅力をお届けします。



信夫の里の魅力 信夫の里の山と人 Vol.2 福島の祭りと復興へかける思い、そして心の声

夏のわらじ祭りに続き、福島の秋は様々な祭りが繰り広げられています。

祭りとは、もともと神仏・祖先を祀ることやその儀式のこと。
特定の日を選んで、身を清め、供物を捧げて祈願・感謝・慰霊などを行うことです。それが、長い歴史の中で、そこに住む人たちの文化となり引き継がれていきます。
今までは、あまりそんなことを考えたことはなかったのですが、震災後、福島や東北の様々な祭りが中止になったり、延期になったり、携ってきた人たちの思いで縮小されながらも行われたりしていて、その多くが「復興」をテーマにしているなど、去年までとは違った意味合いで開催されているのを見るにつけ、祭りとは、歴史の中でその時代によって少しずつ変化しながら継続されていくものなのかなと感じます。
そんなことを思い、実際に祭りに出場している人たちにとって、今年はどんな変化があったのか、「三河台まつり愛好会」の高橋美樹さん、菊地綾さんにお話しを聞きました。

高橋さん、菊地さんが毎年出場している「ダンシングそーだナイト」は、 「福島わらじ祭り」の中の、市民参加の夜のダンス部門です。
昭和45年から始まった「わらじ祭り」。
その「わらじ音頭」ラップ調にアレンジされた曲で、各団体が自由な振り付けで、 個性あふれるダンスが繰り広げられます。

(実際の様子はこちらから見られます!)


三河台まつり愛好会の皆さん
 

再会の場としての祭り
「以前は人前で踊るなんて考えられなかったのですが、実際やってみると『あ、私踊るの好きなんだ』って。
それで今年で16年目(笑)。いつの間にかわらじ祭りが自分の中で夏の年中行事の一つになっていて。
夏はわらじ祭りに参加するのが当たり前という形になっているんです。
1歳から50代の人まで大勢がひとつになるってあんまりあることじゃないので、それも楽しいんですよね。」
(高橋さん)

「私は高橋さんに誘わたのがきっかけです。1つの振り付けを大勢で合わせて踊るんですが、祭りの前からみんなで集まって練習するんです。
当日、曲が終わった時の爽快感が忘れられなくて、毎年参加するようになりました。その時期だけ一緒にやるって人もいて、「今年もよろしく」っていうのも楽しかった。今年の場合は、海沿いにいたという人もいて、大変な状態なのに、当日手伝いにきてくれたり。今回はそういった人との再会の場にもなりました。」(菊地さん)
同じ福島の中でも温度差はある
愛好会の中の実行委員としての役割を担う高橋さんには、自分が出場するという以外に、 みんなをまとめるという役目もありました。
「実は、今回の出場については、福島の中でも温度差はあったんです。こんな時にお祭りなんて。という声とこんな時だからこそやりたい!という声に二分されました。実行委員としては、やりたいという声があるならやろう!私もやりたい!って。それで、またみんなを集めて、振り付け合わせの練習にみんな戻ってきて。
高橋さんと菊地さんでも、当日の当日まで、もしかしたらいきなり中止ということも ありえるのではないかという不安もありました。それでも頑張れるところまで頑張ろうって。」(高橋さん)

「通常春には声がかかるのですが、今年はわらじ祭の開催が決まった のが6月。今年もやるよ!って連絡が来たときは、うれしかった。
祭り自体が中止かもしれないし、会として出場しないかもしれないな とも思っていたので。
私の中では、“今年こそ出たい!”という気持ちがあったんです。
練習期間も短かったし、振り付けも最後まで不安だったけど、 当日、たくさんの人が見に来てくれている中で、
間違ってもいいじゃん!最後まで笑って踊ろう!“復興”だから!って。」(菊地さん)



福島イキイキと輝いている人もいる
「いろんなニュースを見ていると、福島の大変な状況ばかりがクローズアップされることが多く感じます。
私たちは今、福島の中に住んでいて普通に生活している。私の中で、「かわいそうとか福島を特別な目で見ないで!」って気持ちがあった。
福島の中にもこんなに元気に頑張っている人たちがいる。応援してください!

一緒に頑張ろう!一緒にやっていこう!そんな気持ちで今年は踊りました。
いろいろな不安があった分だけ、今年はとくに「あ、終わったんだ!やり切ったんだ!」
そして、大勢の人たちが自分たちを見てくれていたのを改めて感じて、「本当にやってよかった」と心から思いました。踊る人、それを見にくる人、純粋に復興を願う気持ちは一緒だと思います。これから私たちは、その願いをパフォーマンスにしたいと思っています。」(高橋さん)

日本だけではなく、世界共通の“そこに住む人々”が作り出す「祭り」。その年、その時代で、意味は変わってもやはり「やってよかった」という気持ちが連なって、伝統的な行事になっていきます。

秋は、全国各地で様々な祭りが行われるシーズンでもあります。
福島を含めた東北でも各地で復興を祈った祭りが
開催されています。
そこには、いろんな人の思いや苦労があり、
当日の楽しい祭りが行われます。
そんなことを考えながら行ってみると、
その祭りの思い出がまたひとつ違ったものになるのかもしれません。

須賀川市 松明明かし(11月12日)

二本松市 木幡の旗祭り(毎年12月第1日曜日)