土湯温泉の、のどかな温泉街、歴史ある伝統工芸品や素朴な人々…。古くから湯治場として親しまれてきた土湯の魅力をお届けします。
聖徳太子の時代から伝説が語り継がれてきた長い歴史、 美しい自然、温泉地とともに育まれた文化―。 土湯温泉ならではの魅力や楽しみ方、そして復興へ向けた動きを聞きに、 土湯温泉観光協会に行きました。 |
土湯温泉全景 |
池田和也さん |
地元の人が誇る土湯の魅力 お話を聞いたのは、土湯温泉観光協会・事務局長の池田和也さんです。 「谷間に荒川を挟んで、ずっと温泉旅館が立ち並んでいる。 国道115号線から入ってきて、温泉街を眺めるこのロケーションはなかなか他にないと思っています。 なんとなくこう、『温泉地にきたな』ってイメージを皆さん持たれるようです。」(池田さん) |
一歩足を踏み入れると、まるで映画のセットのようなこじんまりとした 昔ながらの風情ある温泉街の様子が楽しめます。 また、中央を流れる荒川は2年連続で水質検査日本一に輝いた清流。 マイナスイオンが豊富な滝などもあり自然と温泉で体をゆっくり休めるには最高です。 |
豊富な源泉 土湯温泉には、いくつもの源泉があり、様々な泉質の温泉が楽しめます。 「協同組合で持っている源泉が今、3つ。その他に、それぞれの温泉旅館さんが自分のところの源泉をもっているから、数えたら限りないくらい源泉はあります。泉質もそれぞれ違って、単純温泉、炭酸水素塩泉、重曹泉、鉄泉と、いろんな温泉が楽しめるんです。」(池田さん) |
池田さんから見た土湯温泉はどんな温泉地なのかを伺いました。 「やっぱり‘きれいな水’と‘きれいな空気’と ‘きれいな四季折々の自然’と‘温泉’と。 肉体的にも精神的にも健康を持てる場所だと思います。 |
土湯温泉 旅館・山水荘「太子の湯」 |
土湯温泉は、歓楽街があるわけではないし、どんちゃん騒ぎするという場所でもない。 言葉では伝えきれない魅力を映像でお楽しみください。 温泉散歩 >> |
やはり、最後には『人』なんだなと。どんなに良い建物、どんなにおいしい料理、
どんなに良い風呂でもそれに勝るものが『人』。『おもてなしの心』なんです。『人』が魅力的であれば、どんな状況であろうと、風評などに左右されずにお客様はいらしてくださる。これを今、実感しています。」
(池田さん)
風評被害で特に県外からのお客さんが激減している中、 土湯温泉観光協会では、そういった不安を少しでもなくしていこうと、 行政が測定した土湯温泉で測った環境放射能数値をホームページで紹介しています 。「お客さんが今一番気になるのは放射能のことだと思います。 |
土湯温泉観光協会HP |
地元の笑顔・避難者の笑顔 土湯温泉協会では、「土湯温泉・がんばろうプロジェクト!」を発足し、 地元住民と避難者の交流の場を設けるイベントなどを開催しています。 「避難者の方は、まだまだ不安な状況にあります。 そんな中でも少しでも楽しい気持ちになってほしい。地元の人たちと接して、 一緒においしいものを食べたり、お祭りを楽しんだり。 皆さん、この避難生活からそれぞれの土地に戻っていかれる日が必ずきます。ここにいる間に少しでも良い思い出を残して帰ってほしい。 そして、ずっと後になって、あの時、土湯にいたな、つらかったけど良かったな、と土湯温泉を思い出してもらいたいんです。」(池田さん) |
今、福島県内の観光地は、どこも苦しんでいます。
その中でも辛いのは自分だけではないと、相手を思いやる心の大切さを感じます。
そして日本が世界から評価された「思いやり」の心が、復興への道を切り開いていくんだと思いました。
「辛い」「苦しい」「風評なんかに惑わされないで」というメッセージだけでは、何も変わらない。