二本松万古焼 ・二本松焼
二本松藩御用窯:二本松万古焼
今から300年前の寛永20年、奥州二本松藩主・丹羽左京太夫が京都から陶工をお城に招いて、窯を作らせ、二本松藩独自の製陶法を作らせたことに始まる「二本松万古焼」。 万延元年の参勤交代のとき、丹羽公が、徳川将軍に二本松万古焼の茶器を献上して、その名を世に知られるようになりました。 釉薬を使わず高温で焼き上げる焼〆(やきしめ)が美しく、急須や湯のみ、花入れなど、使えば使うほど愛着がわき、つやが出てくるのが特色です。 |
伝統技法は「手ひねり型くずし製法」。ろくろを使わずに丹念に作られていく焼物です。 指でつけた指紋や梅花模様は、素朴ながらも味わい深い魅力があり、手のぬくもりを感じる焼物になります。 現在、井上窯だけが、二本松万古焼の伝統を守り続けています。 |
二本松の庶民に愛された 二本松焼
二本松万古焼と同じく、藩政時代に生まれ、庶民が使っていた日用品が二本松焼です。一旦途絶えたものを井上窯の現当主・井上善夫氏が研究を重ねて復活させました。 釉薬の掛け方により、美しい艶のものから、独特のマットな質感が楽しめるものまで多彩です。 |
企業紹介
『井上窯』 福島県二本松市二伊滝1-456 二本松藩時代の領土の土と製法にこだわり、伝統に新しい感性を取り入れた焼物づくりに取り組んでいます。 工房と隣接したお店では、伝統製法を忠実に守った焼物から、新しい感性を取り入れたものまで多種多彩な焼物が並びます。 |
「ここ二本松は、地震の被害は大きくはなかったものの、やはりたくさんの焼物が割れました。でも、壊れたものはまた作ればいい。ここへきたお客様が言ってくれます。ここへくるとなぜか落ち着くって。 二本松にも浜通り(福島県の太平洋側の地域)から避難されている方がたくさんいます。 今は日本全国が大変な時。でも、こんなときだからこそ自分のお気に入りの食器を使って心から食事やお茶を楽しむ時間など生活を楽しむ時間を作ってほしいと思うんです。 そして、また頑張るぞ!って。焼物にはそんな力があると思うんです。使ってくださる方がそんな気持ちになっていただけるような焼物を作っていこうと思っています。」 |
井上 善夫氏 と 妻・ゆう子さん
日展入選9回 |