仙台生まれの技法がつくり出す独特の光沢と色調 玉虫塗
つややかな赤や緑の漆の下から浮かび上がる銀の輝き。あでやかな光沢と華やかな色調から「玉虫塗」と命名された漆芸は、仙台で生まれた技法です。昭和7年、当時仙台にあった商工省国立工芸指導所で開発されました。その味わいは、国内はもとより国外で特に好まれ、戦後は輸出漆器の中心を担うほどでした。以来、和と洋、どちらにも調和する漆器として親しまれています。 |
下地に銀粉をまき、上塗りをする。これを10数回、特殊なものでは20回と繰り返すことにより、玉虫塗りの独特の深い風合いと贅沢な色合いが生み出されていきます。 |
玉虫 その独特の光沢と色調を放つ羽が飛鳥時代の貴族に愛された |
企業紹介
『有限会社 東北工芸製作所』 宮城県仙台市青葉区上杉3-3-20ユナイト上杉ビル1F 東北工芸製作所は、商工省工芸指導所と東北帝国大学金属材料研究所とが協力して昭和8年に仙台市に創設されました。 仙台を代表する工芸品として玉虫塗の生産を行い、調度品から、普段使いの小物に至るまで様々な美しい玉虫塗製品を作っています。 「今回の震災では、多くの方よりあたたかい励ましのお言葉、お気遣いをいただきました。幸い、モノづくりをしている職人たちも道具も皆無事で、80年近く続く宮城県指定伝統的工芸品「玉虫塗」をこれからも作ることができそうです。 私どもは、あたたかな気持ちをもっている方、支援してくださる皆さんとつながり、それが大きな力となってくれることを願いながら、コツコツとモノづくりを続けていこうと思います。いつかまた、豊かな東北・みやぎになることを信じて。」 (店長・佐浦みどり) |