福の鳥研究所TOP > 原発事故後、私たちはこのような方法で食品スクリーニングを行ってきました |
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この測定システムは、厚生労働省による「緊急時における食品の放射能測定マニュアル」に沿って、NaI(TI)シンチレーションサーベイメータを使用してスクリーニングを行います。汚染が疑われたものについては、行政機関等に連絡して対応できるように考えています。 また、このスクリーニング方法を測定マニュアルとして作成し、電子ブック版(Epub)も作成しています。 |
(1)測定を行うための服装
作業を行うには、使い捨てポリ手袋、マスクを着用して体が汚染するのを防ぎます。
(2)測定の準備・除染
放射能測定器と試料を入れる容器(ポリビン容器、タッパー容器)を使用します。
(3)試料の準備
液体の試料はよく攪拌させた後ポリビン容器に入れます。
固体の試料は2~3㎝程度の細切りにします。
タッパー容器にポリ袋を入れて隙間を作らないように試料を入れます。
容器の重さを差し引いた試料だけの重さを求めておきます。
(4)バックグラウンド値の測定
検査する試料以外の自然界に存在する放射線量を測定します。測定方法は試料の測定と同じ条件で行います。
(5)試料の測定
測定器の時定数を30秒に設定します。
ポリビン容器は検出器を5cm挿入させます。
タッパー容器は検出器を試料の中に密着させます。
◆90秒経過後、1回目の値を記録します。
◆30秒経過後、2回目の値を記録します。
◆30秒経過後、3回目の値を記録します。
3回読み取った平均値を計算します。これが測定値となります。
(6)正味の値の計算
試料の測定値からバックグラウンド値を差し引いて、試料から出ている放射線の正味の値を計算します。
正味の値 = 試料の測定値 - バックグラウンド値
(7)汚染の疑いのない物
正味の値がバックグラウンド値の20%未満の場合は、汚染の疑いがないと判断し、その食品は安全に販売できることになります。
計算の結果、正味の値がバックグラウンド値の20%以上の場合は行政機関等に報告することになり、そこでは必要に応じてより精密に分析検査を行える『ゲルマニウム半導体検出器』により、放射性物質の量(ベクレル)の測定を核の種類ごとに測定されることになります。 |
<民間での動き> 私たち以外にも、食の安心安全や地域のため福島のために独自で活動し、その活動を広めようとしている企業があります。 株式会社環境分析研究所では、震災後、地元福島県の企業として放射能汚染を深く憂慮し、福島の子どもたちの未来のために何ができるかを考え、ゲルマニウム半導体検出器を導入して放射能測定を始めました。福島の生産者が自分の商品の安全性を証明し、お父さんやお母さんが子どもたちに安心して安全なものを食べさせることができるように、日々検査に取り組んでいます。 福島市の大手スーパーでは、生産者や消費者を守るため、シンチレーション式の測定器を導入し、野菜を仕入れている契約農家の土壌や数多くの農作物を無償で検査しています。 福の鳥では、同様の活動をしている企業と協力し合いながら多くの人達にこの活動を知ってもらい、そして安心安全な福島をめざしていきたいと思います。 |