緑豊かで古くから山岳信仰のある信夫山と日本一の大わら じを祭る「わらじ祭り」…。福島の人々心に宿る魅力をお届けします。
福島盆地の中心部にぽっかりと浮かんだようにそびえる信夫山は、 標高275mの小高い山で福島市のシンボル的な山です。 別名御山(おやま)、青葉山とも呼ばれ、 地域の人に昔から親しまれてきた山でもあります。 |
福島市街地と信夫山 |
古い歴史を持つ信夫山には、多くの史跡や伝説が残されています。
例えば、「羽黒神社」。古墳時代、跡目争いで破れた欽明天皇の長子、淳中太尊がみちのくに逃れて、ここ信夫山に移り住んだといわれ、京の都の歌人たちの憧れ 平安時代に入ると、信夫山は和歌の歌枕として詠まれたり、 物語の舞台にも登場するようになります。 「信夫」という音は「忍ぶ」「偲ぶ」と同じ音であり、 情緒的なイメージと相まって、 都の人にとって信夫山は、まだ見ぬみちのくのへの憧れの地として知られるようになりました。 |
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日本一の大わらじ「信夫三山暁参り」 信夫山と言えば羽黒神社に奉納されている「大わらじ」が有名です。 長さ12メートル、幅1.5メートル、重さ2トンのもの サイズの巨大なわらじが奉納されています。 江戸時代から300年以上続く この仁王様が履くサイズに合わせた わらじを仁王様の足の大きさに合った大わらじを 奉納したのが始まりだったそうです。 その後、伊勢参拝などの長旅に出かける人々から健脚、旅の安全などを祈って わらじを奉納するようになり、今では、人々の健康と幸せを願って奉納される ようになりました。 |
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冬の「暁参り」と夏の「わらじまつり」 大わらじの奉納は、年2回。冬の「信夫三山暁参り」と 夏の「福島わらじまつり」です。冬と夏、セットで一足揃うことになります。 わらじまつりは毎年8月の第1週に行われる福島の夏を盛り上げる大きなお祭りです。 信夫山への大わらじの奉納とともに、福島市の中心市街地で「わらじ競走」や 「わらじおどり」の他、わらじ音頭をラップ調にアレンジした「ダンシングそーだナイト」など様々な催しものが行われる市民参加型のお祭りです。 今年は震災のため、いったんは開催が危ぶまれたこのわらじまつりですが、 8月6日(土)に無事開催されることになりました。 |
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福島の人にとって例年のお祭りとは意味合いや思いが異なる
今年のわらじまつり。 開催が決まった経緯、お祭りにかける思いなどを 福島わらじまつり実行委員会の大金(おおがね)さんに聞きました。 「通常は4月中旬には開催が決まるのですが、今年は震災によって 協賛企業が集まるかどうかや、自粛ムード、また、放射線への不安など 様々な問題で結論が出ませんでした。 しかし、“今だからこそ、やれる範囲でもやっていこう”と 6月に入ってから実行が決まりました。 わらじ競走、わらじおどり、ダンシングそーだナイトなど、 たくさんの福島市民の参加希望をいただいています。 震災後初のこの大きなイベントを、 福島市民みんなで盛り上げていきたいと思います。」(大金さん) 「やれる範囲でやっていこう」という言葉には、控えめな中にも復興への熱い思いが秘められていて、ぼくとつながらも内に秘めた思いをもつ福島の人柄が表れているような気がしました。 今年のわらじまつりは、福島人の復興への思いが込められるお祭りです。 がんばっぺ!福島でも8月6日(土)わらじまつりの様子を取材したいと思います。 |
ホームページでは開催のお知らせとともに会場となる場所の 放射線量測定値も掲示している |