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花見山の魅力2012

花見山を今一度見つめなおし、花木が織り成す美しさだけではない魅力を今一度、私たちの目線から紐解いていきます。

花見山の魅力2012 Vol.1 私が見た花見山の魅力 謙虚な気持ちが出会う山
花好きさんが集まる全国でも有数の花の名所となった花見山。
そのきっかけとなった人物が有名な写真家の故・秋山庄太郎さんです。

写真家 秋山庄太郎   

撮影:秋山庄太郎 花見山公園



「福島に桃源郷あり-」そう言って、晩年、毎年花見山に訪れていた秋山庄太郎さん。
今回は、秋山庄太郎写真芸術館館長の上野氏の手記を基に、秋山庄太郎さんとのエピソードから花見山の魅力を探りたいと思います。

心の目でみる桃源郷  (文:上野正人(秋山庄太郎写真芸術館館長)『らら・カフェ19号』 より抜粋)
 「どうだい、みごとだろ?」。
秋山庄太郎がちょっと自慢げに話しかけてきました。そして、「ん? 去年はあそこに連翹(れんぎょう)はなかったなあ」。秋山はカメラのファインダーから遠方をのぞみながら、そう呟きました。
岳父秋山庄太郎に誘われて、私が初めて花見山公園を訪れたのは、1990年代半ばのこと。「よくみているんだなあ」、つくづくそう思いました。
 
「みる」の漢字には、「見る」「診る」「視る」「看る」、そして、「観る」。私が勤務するミュージアムで、お客さまが、「この写真は一度みたからもういいよ、この写真もみた……」と、あっという間に館内を回られたことがあります。このような場合は、「見る」。強要はできませんが、「観ていただきたいなあ」が私の本音です。
この「みる」について、秋山と話をしたことがあります。
 「美術館をやっていて、君がいちばんたいせつに思っていることは何かな?」「展示作品を『観ていただく』ことです」。そう答えると、秋山は「それに徹すれば、みる側も『観させていただく』姿勢をとるようになる。お互いに謙虚になることが何よりもたいせつ。阿部一郎さんも、『花見山を観ていただく』姿勢で貫いている。謙虚な方だよね」。
(中略)
 花見山を「桃源郷」にされた園主阿部一郎さん。秋山は阿部さんに敬意の念を抱いたからこそ、花見山を撮り続けました。
秋山は心の目でも花見山をみて、阿部さんの花守りぶりに心を寄せていたのです。
阿部さんが花見山とともにある限り、秋山は「この世の桃源郷」を撮り続けているに違いありません。
(全文は「らら・カフェ19号」に掲載されています)


 

写真を『観ていただく』という秋山さん、花見山を『観ていただく』という阿部さん。
どんなに有名になってもそういった謙虚な気持ちでそれぞれ作品や花づくりに取り組まれたお二人だからこそ心で通じあっていたのだろうと感じました。
多くの人が訪れる花のピーク時は、駐車場や駅からシャトルバスで移動するのが花見山のルールです。
帰りのバス内は、花見山帰りのお客さんの顔が皆どこか満足気に『観せていただいてきた』という表情をしているようです。
『観ていただく』という謙虚な気持ちで作られた花見山だからこそこんなにも気持ちよく『観せていただける』のでしょう。





阿部一郎さんと秋山庄太郎さん


秋山庄太郎写真芸術館
東京都港区南青山4-18-9
◆開館時間/AM11時~PM4時30分
   (※入館受付は午後4時まで)

◆開館日/毎週土・日曜日 (月~金 休館)
http://akiyama-shotaro.com/





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