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あ行
X(エックス)線
放射線の一種。原子の外側のエネルギーの高い軌道にいた電子が、エネルギーの低い軌道に落ちる際に発生する電磁波。
医療や、空港の手荷物検査などのレントゲン撮影等に利用される。
X(エックス)線を目的の物質に照射し、透過したエックス線を写真フィルム等に焼付ける等の方法で、内部の様子を知ることができる。
α線(アルファ線)
ヘリウムの原子核(陽子2個、中性子2個でできている)による粒子線。ラジウム、プルトニウム、ウラニウム、ラドンなどの特定の放射性原子の自然崩壊によって発生する。
α線は、紙1枚でも容易に止めることができため、α線による健康への影響が現れるのは、α線を放出する物質を体内に摂取した体内被曝のみ。
ICRP
国際放射線防護委員会(International Commission on Radiological Protection)は、民間の国際学術組織で、専門家の立場から、放射線防護に関する勧告を行う。ICRPの勧告は、日本を含む世界各国の放射線障害防止に関する法令の基礎とされる。
か行
原子力
原子核が、核反応によって二つに分裂する際に、放射線と熱を放出する。原子力は、原子核分裂を人為的に起こし、その際に放出する熱を、エネルギーとして利用すること。また、この熱(エネルギー)そのものを原子力という。
原子
物質をどんどん分解していき、これ以上分解できないという最少の微粒子を原子という。例えば、水を分解すると、水素原子と酸素原子になる。
原子は、原子核と電子からできている。原子核は陽子と中性子からできている。原子の性質は、原子核に何個の陽子があるかによって異なる。
核種
原子核の種類。原子核が持つ陽子と中性子の合計個数(質量数)が異なれば、同じ元素でも、核種(種類)が異なる。
元素が同一なら陽子の数は同じであり、核種が異なるのは中性子の数が異なることによる。
ヨウ素131、セシウム137、ストロンチウム60等のように元素名の後に付く数字が質量数。
原子核分裂
不安定な原子核が分裂してより軽い核種を二つ以上になる反応のこと。核分裂ともいう。
不安定な原子核とは、質量数の大きい核種に多く、陽子か中性子のどちらかが過剰な核種。安定な核種は、一般的に軽く、陽子と中性子の比はおおよそ1対1。
原子核崩壊
不安定な原子核が、陽子または中性子を放出して、より安定した別の核種に変化すること。その際、放射線を出す。崩壊は外からの働きかけがなくても自然に発生する。放射性崩壊ともいう。崩壊する性質を持つ原子核を放射性同位元素という。
原子核融合
軽い核種同士が融合して、より重い核種になる反応。核融合ともいう。原子核同士がある程度接近すると、核同士が引き合う力が、反発する力を超え、二つの原子が融合する。
融合の仕方によっては、その結果放出されるエネルギー量が多いことから、水素爆弾などの大量破壊兵器に用いられる。水素爆弾は、水素及びその放射性同位体の核融合反応を利用したもの。
ガイガーカウンター
「ガイガーミュラー(GM)管」と呼ばれる部品を使った放射線測定機器。「GM管」は円筒形の容器の中に不活性ガスを封入したもので、放射線が容器内を通ったときに発生するパルスを数える原理。価格が比較的安い。
弱い放射線は取りこぼす場合があり、一定の以上の強い放射線は、正確に検出できない場合があるが、「放射線があるかどうか」を簡便に測る用途には適している。また、放射線が人体に及ぼす影響を知るうえで意味がある「エネルギーの強弱」は計測できない。
原子力安全委員会
原子力安全委員会は、原子力の安全確保の充実強化を図るため、1978年(昭和53年)に原子力基本法の一部を改正し、原子力委員会から分離し、発足した。
職務は、原子力の研究、開発および利用に関する事項のうち、安全の確保に関する事項について企画し、審議し、および決定すること。
原子力安全基盤機構
独立行政法人原子力安全基盤機構は、経済産業省所管の独立行政法人。原子力施設及び原子炉施設に関する検査等を行うとともに、原子力施設及び原子炉施設の設計に関する安全性の解析及び評価等を行うことにより、エネルギーとしての利用に関する原子力の安全の確保のための基盤の整備を図ることを目的としている。2003年10月1日設立。
検出限界値・測定下限値
食品の場合、基準値の1/4(25Bq/kg)を「測定下限値」として、その値までを測定の目安としています。測定器によっては「検出限界値」といって、その測定器で検出できる限界の値が表記されます。その値は測定器の種類や周辺の空間線量などで変化します。測定結果の「検出せず」とは、これらの値未満の結果であるという意味です。
さ行
暫定規制値
食品衛生法に基づく放射性物質に関する現行の暫定規制値については、原子力安全 委員会が、原子力発電所事故等を想定した「原子力施設等の防災対策について」の 中で示している「飲食物摂取制限に関する指標」に沿って設定されている。
※くわしくは「放射能の基礎知識」へ
新基準値
現在の暫定規制値に適合している食品は、健康への影響はないと一般的に評価され、安全は確保されているが、より一層、食品の安全と安心を確保する観点から、現在の暫定規制値で許容している年間線量5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げる。
※くわしくは「放射能の基礎知識」へ
自然放射線
自然放射線は、人間の活動が無くても自然界にもともと存在している放射線の総称。大気中には、放射性物質であるラドンが含まれていて、呼吸を通してつねに体内に入っている。大地や岩石、食物にも微量の放射性物質が含まれている。また、宇宙からも放射線が降り注いでいる。
人が年間に受ける自然放射線量は、世界平均では2.4mSv。地域によって差はあり、日本の平均は1.4 mSv。
シーベルト
放射線の人体への影響はどの程度か(線量当量)を表わす単位。(Sv)生体(人体)が受けた放射線の影響は、受けた放射線の種類と対象組織によって異なるため、吸収線量値(グレイ)に、放射線の種類ないし対象組織ごとに定められた修正係数を乗じて線量当量(シーベルト)を算出する。
シーベルト・パー・アワー
シーベルト・パー・アワー (Sv/h) は、1時間あたりの生体への被曝の大きさを表わす単位。毎時シーベルト、シーベルト毎時ともいう。シーベルトが被曝の総量を表すのに対し、毎時シーベルトは、被曝の強さを表す。1毎時シーベルトは、1時間で1シーベルトの被曝量を受けることに相当する強さ。
線量限度/被曝限度
個人が受ける放射線被曝(ひばく)量をできるだけ抑えるために設定された線量値。ただし、自然界からの放射線(平均で年間2.4mSv)と医療目的の被曝は含まない。(2.4 mSvは世界平均。日本平均は1.4 mSv)
スピーディ(SPEEDI)
緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム。原子力発電所等から大量の放射性物質が放出したり、そのおそれがある場合(緊急事態)に、放射性物質の大気中の濃度および被爆線量等、環境への影響を迅速に予測するシステム。放出源、気象条件、地形データ等の情報を基に算出する。
SPEEDI
System(システム) for Prediction(予測) of Environmental(環境) Emergency(緊急時) Dose Information(情報)
測定下限値・検出限界値
食品の場合、基準値の1/4(25Bq/kg)を「測定下限値」として、その値までを測定の目安としています。測定器によっては「検出限界値」といって、その測定器で検出できる限界の値が表記されます。その値は測定器の種類や周辺の空間線量などで変化します。測定結果の「検出せず」とは、これらの値未満の結果であるという意味です。
た行
な行
日本原子力研究開発機構
独立行政法人日本原子力研究開発機構は、文科省、経産省所管の独立行政法人。原子力に関する研究と技術開発を行う。日本原子力研究所 (原研) と核燃料サイクル開発機構(旧動力炉・核燃料開発事業団)を統合再編して、2005年10月に設立された。
は行
放射線
原子核が、分裂あるいは崩壊する際に出すエネルギーの流れ。「X(エックス)線」、「α(アルファ)線」、「β(ベータ)線」、「γ(ガンマ)線」、「中性子線」等がある。
放射線を浴びると、人体に悪影響をおよぼす可能性がある。放射線が、細胞のDNA(デオキシリボ核酸)など、重要な生体分子を傷つけることがあるため。また、間接的な影響として、放射線が水分子を分解し、活性酸素」を生じさせ、この活性酸素が生体分子を傷つける。
一方で、レントゲン撮影や、がんの放射線治療、植物の品種改良、医療器具の滅菌、半導体の製造、煙感知器などに利用されている。
放射能
放射線を放出する能力。放射性物質は、その原子核が崩壊して別の核種に変わっていく際に、放射線を放出する。別の核種に変わり、これ以上崩壊しないという安定した物質になれば、放射線を出すことはなくなる。
β線(ベータ線)
原子核中の中性子が陽子に変化する際、または陽子が中性子に年かする際に発生する。陽子や中性子の質量の約1/2000の質量を持つ高速度の電子から成る粒子線。トリチウム(水素の同位体)、炭素14、燐32、ストロンチウム90などの特定の放射性物質の自然崩壊によって発生する。β線は、そのエネルギー(速度)に応じて水中での透過距離は異なる。トリチウムの場合は1 mm未満、燐32では約1 cm。主な健康影響が生じるのは体内に取り込まれた場合。
放射線防護の基準
「ICRP(国際放射線防護委員会)」の2007年版の勧告では、事故などによる一般公衆の被曝量(自然放射線と医療行為による被曝は含めない)は、年間1mSvを超えてはいけないことになっている。(放射線をあつかう作業者は20mSv)
ただし、1mSvは放射線防護のための目安であって、「これをこえた被曝は即危険」という値ではない。
ホットスポット
放射線防護学、放射線学では、原子力事故や核実験などにおいて、点状に生じる放射性物質汚染の激しい地域。放射線の強度が強くなっている地点・地域。
一般的には、局地的に何らかの値が高かったり、局地的に何らかの活動が活発であったりする地点、場所、地域を指さす。(hotspot)
ま行
や行
ヨウ素131
ヨウ素は原子番号53の元素。元素記号はI。ヨウ素131はヨウ素の放射性同位体の一種。質量数(陽子と中性子の合計個数)が131。
主要なウランやプルトニウム、また、間接的にトリウムのそれぞれの核分裂によって生成する。
ら行
わ行