食の安心を確認するために

 

『安全』なものを売りたい
-生産者の思い-

福島県食肉卸さんは、震災後の畜産農家の窮状を明かしてくれました。
「ガソリンもなく物流がストップしてエサの入手が難しく、なんとか牛を生かすために、近所の稲ワラをエサとして与えていた畜産農家さんもいたようです。ワラの線量が国から事前に報告されていれば、こんなことにはならなかったかもしれないとも思うんです」
くだもの畑さんは桃の生産者の一人として、安心安全の取り組みへ意欲を示します。
「胸を張って福島の桃は安全ですと言えるようにしたい。そのためには自分自身が放射能と安全性についてしっかりと学んで正しく消費者に伝えたい」
生産者のみなさんは安全なものを消費者に届けたいと強く願っています。

 


 

専門家との協力
-制度の高い検査結果を得るために-

食の安心安全担当者は、検査会社・環境分析研究所さんの協力のもと、事前に測定方法や測定値の評価方法を学び、分科会での測定に当たりました。環境分析研究所さんは、核種ごと(ヨウ素131・セシウム134・セシウム137 など)の放射線量を測定できるゲルマニウム半導体検出器を所有しています。

社長さんが1,000 万円以上もするこの機
器を導入したのは「子どもたちの笑顔の
ため」。子育てをするお母さんの一人とし
て、自分の手で精密な検査をして、子ど
もたちの安全を守りたいという思いがあ
るからです。

 

 


 

バックグラウンド(空間)と測定対象の差

放射線は物体を通過するのだから、食品内部でも空間と同じか高い測定値になるんじゃないかと疑問を感じる方もいるかもしれません。なぜ空間よりも低い数値が出るのか。これにはサーベイメータの特性が関係しています。
サーベイメータはセンサーで放射線を感知します。測定開始後すぐは大気中の放射線が食品内のセンサー有効範囲までは届いていません。理論的には計測し続ければ、やがて放射線はセンサーの範囲まで到達し、最終的に空間と同じ線量に近づきます。
つまり測定するセンサー周囲の空間を自然放射線量と同じレベルに近づけるほど、精度の高い測定ができるということになります。
食の安心安全分科会では、測定のバックグラウンドとしてどこまでの空間線量が許容できるのか、バックグラウンドの影響を極力排除するにはどうすれば良いかを、実測を重ねながら検証しています。

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